電子カルテ
今までのカルテは『紙カルテ』と呼ばれています。もちろん『手書き』です。これまで『診療記録はカルテに記載して保存すること』、つまり『紙に書いて記録すること』という規則がありました。ところがコンピューターが日常的に利用される時代になり、カルテもコンピューターを使って記録をしても良いように、規則が変更されました。紙を使わず、コンピューターにカルテの記載や保存をするのが『電子カルテ』です
なぜ『電子カルテ』が必要なのか? と言う疑問
電子カルテの利点はいくつか指摘されています。たとえば医療機関同士の情報の交換が(将来)できるようになる、保存スペースが要らない、事務員の人手が少なくて済む、等々です。でも私が電子カルテにしたい理由は全く違います。私の目的は『カルテ開示』です。
私は、カルテを皆さんに見て欲しい(読んで欲しい)とずっと考えていました。患者さん本人や保護者の方もカルテを見て(読んで)自分やお子様の病気について、一緒に考えて欲しいと考えていました。カルテには患者さんの医療情報が書かれています。またその患者さんの病気に関する医師(私)の考えや治療方針なども書かれています。それらをお互いが知ることにより、患者さんの治療がより効果的になると私は考えています。
ところが今までの『紙カルテ』では読めないのです。短時間に最低限必要なことを紙に記録するには、漢字交じりの日本語だけでは不可能なので、どうしても英語や略字、略号を使わなければなりません。自分で書いた文字が、あとで読み返すと理解できないこともあります。そんなカルテを皆さんに見せても意味がありません。『電子カルテ』ならば日本語だけの、活字のカルテが作れます。実はここで開業するときから電子カルテを使いたいと思っていましたが、当時はまだ私が使い易い電子カルテがなく、平成13年8月にやっと実現することができた次第です。
具体的に何ができるか
診察するたびにその日のカルテを印刷して渡すことにより、以下のことが可能になると考えています。
- 病名(診断名)や薬の名前、服用方法を正確に伝える。
- その時々で注意して欲しいことを、口頭だけでなく文字でも教える。
- 喘息などで長期間の治療をするときの治療方針をはっきりと伝える。
- その場所にいない人にも、それらの情報を正確に伝えることができる。
(子供をおじいちゃんが連れてきた時など、後でお母さんが読んで理解できる)
(休日などに他の医療機関を受診するときに持参すれば、他の医師にも正しく情報を伝えることができる)
カルテ開示の実際
カルテの内容は、名前や年齢、受診日は当然として、毎回、体温・体重(成人では省略)、主訴、症状の経過、診察所見、診断名(病名)、治療内容(方針)、次回の来院予定、処方(薬剤名と用量、服薬方法、処方日数)、診察料や指導料、処置内容・検査内容(実施した場合のみ)がすべて日本語で入力されています。ある程度の専門用語は使いますがすべて日本語であり、英語は使いません。検査項目を除き、原則として略号も使っていません。診断や治療については箇条書きではなく、できる限り文章で表現しています。
電子カルテの実際の画面と印刷されたカルテです。ディスプレイ画面はカラーですが、お渡しするカルテは白黒です。カルテの左側には症状や所見など、右半分には処置や処方、指導料等が入力されています。
(画像をクリックすると、少し大きくなります。)
受診された方全員に対して、その日のカルテをA4用紙に印刷してお渡ししています。
その他に、薬のカラー写真と説明(効能・主な副作用など)の書かれた薬剤情報も、毎回お渡ししています。もちろん領収書もお渡ししていますが、これらの書類は当院で提供できるほとんど全ての医療情報だと考えています。例外として、血液・尿などの検査結果やレントゲン写真は必ずしも全ての方に提供していません。今後の課題としておきます。
電子カルテに変えてからすでに2年以上が経過しました(平成16年1月現在)。診療に余計な時間がかかって患者さんに迷惑がかからないかと危惧していましたが、診療のペースは『紙カルテ』の頃と変わりありません。(もともと速いほうではありませんでしたが・・・)。カルテの記載内容に関しては、私自身はまあまあ満足していますが、もっと読み易く・もっと理解し易く・もっと情報を多くできるよう努力していきます。
平成15年8月〜9月にかけて、電子カルテに関するアンケート調査(来院された方の保護者を対象)を行いました。結果はクリニックニュース(院内報)で掲載しました。今回、皆様から寄せられたご意見とそれに対する私の答えを掲載します。

